大阪環状線 -ひと駅ごとの愛物語-

第1話 天王寺駅「偽装カップル」／俳優の哲夫（駿河太郎）は、恋人・琴美の携帯を盗み見て浮気を疑っていた。真偽を確かめるため、マネージャーのさち子（谷村美月）とカップルのふりをして、天王寺で浮気相手の宮本と待ち合わせする琴美を尾行する。天王寺動物園に入った琴美と宮本を追って二人も動物園に。琴美のことが気が気でない哲夫をよそに…。

第2話 玉造駅「私のカレは幸村様」／歴史ファンの信子（舞羽美海）は優しいけど頼りない恋人・正人（尾上松也）を連れて、玉造駅からほど近い真田幸村像を訪ね、遠い過去に活躍した幸村公にひとり思いを寄せていた。そんな時、転倒した正人のカラダに400年前の慶長19年（1614年）の大坂の陣で活躍した真田幸村（尾上松也・二役）の魂が乗り移った。

第3話 大正駅「新しい海の出現」／大正駅前に現れた女（村川絵梨）。二股をかけられていた男の結婚式に乗り込み、大金の入った祝儀袋をたたきつけて別れるはずが空振りに終わった。その祝儀袋を駅前に止めてあった自転車のかごに捨て、フラフラと歩き出した。それを見ていた自転車の持ち主の青年（中山義紘）は大金に驚き、追いかけて返そうとするが…。

第4話 大阪駅「スナイパーと妖精」／ビルの屋上でライフルを構えているスナイパー（木下隆行）。スコープの中には、大量の本や資料を抱えて歩く松戸美代子（中村ゆり）の姿があった。研究所に勤め、真面目で要領が悪そうな美代子がなぜ暗殺されるのかスナイパー自身も知らない。空を見上げ、ぼーっとしている美代子の姿をとらえ…。

第5話 新今宮駅「孤悲櫻」／ほのみ（平祐奈）と樫野（前田旺志郎）は同級生の15歳。樫野は東京に引っ越していたが、ほのみから二人が通っていた小学校が廃校になり、取り壊されると聞き、東京から飛んで来る。久しぶりに新今宮で会う二人。樫野を亡き夫と間違うおばあちゃんに出会ったり、偶然見かけた小学校時代の先生カップルを尾行したり…。

第6話 福島駅「屋根の暗号」／交際して4年の良恵（木南晴夏）と信太（大東駿介）は、口げんかばかり。今日も環状線の中から見えるある風景のことで言い争いになり、実際にその風景の場所を探しに二人で福島駅周辺に向かうことに。その途中、路上でひっそりと店を開く占い師に呼び止められる。占い師に心の中を見透かされ動揺する信太…。

第7話 大阪城公園駅「始発電車が来るまで」／真夜中に護送車が転倒。一心不乱に逃走した囚人（やべきょうすけ）は、愛娘に会いに戻るため大阪城公園駅で始発電車を待っていた。ふと気づくと隣には高校生くらいの家出少女（清井咲希）が。親からも愛されず自分の居場所がないと人生に絶望する少女。自分はえん罪なのに誰も信じてくれないと憤る囚人…。

第8話 西九条駅「トンネル横丁の悪魔」／東京から九条の街に移り住んできたばかりの譲二（大野拓朗）は、西九条のトンネル横丁の飲み屋で不思議な美少年、礼央（碓井将大）と出会う。妙になついてくる礼央に酒をおごる譲二。礼央にホテルに誘われあたふたする譲二だが、結局終電までの30分だけ散歩に付き合うことに。礼央が面倒を見ているという猫を…。

第9話 野田駅「最後のデート」／今日カナダ留学に旅立つ城井悠一（葉山奨之）を駅で待っていたメイ（足立梨花）。旅立つ前のつかの間、ひとつひとつの思い出をかみしめるように、共に過ごした懐かしい場所を散歩しながら巡る二人。キャッチボールをした路地、一緒に写真を撮った写真館、自転車に乗る練習をした公園、いじめっ子に囲まれた場所…。

第10話 京橋駅「KYOBASHI ON MY MIND」／日向子（鎮西寿々歌）はアルバイトで貯めたお金で念願のカメラを買い、毎日電車に乗って大阪環状線のひと駅ごとの写真を撮っていた。今日は最後の駅、京橋駅。この街で環状線完全制覇！食べかけのアイスキャンディーをぶつけてしまったのが縁で、ちょっと不思議な雰囲気のジイちゃん（佐藤蛾次郎）と…。