
椅子
芸人として活躍する傍ら、中編デビュー作「火花」で芥川賞受賞を果たし、作家としても高い評価を受けている又吉直樹がオリジナルで脚本を書き下ろしたオムニバスドラマ。「又吉直樹マガジン 椅子」の編集長を務めたこともあるほど、又吉が無類の椅子好きなことから誕生した本作は、椅子と女性の人生を重ねて描く。

椅子 第01話
第1話 「電球を替えたい」(No.14)/カップルのいさかいを目撃した進(岩崎う大)は、うな垂れている女性・菜奈(吉岡里帆)に思わず声を掛ける。引っ越ししたてで電球をひとりで交換できないという彼女に進が持っている椅子(No.14)を貸すこととなり、2人で歩き始める。街で噂の人物・スピードスターの目撃談などでほっこりする2人だが…。

椅子 第02話
第2話 「最高の日々」(スツール60)/母親(銀粉蝶)に電話で近況を報告している良美(吉岡里帆)は、華やかな日常を送っている様子。その話の端々に登場する、名前の読み方が同じ同級生・佳美(吉岡里帆)から良美はある日突然呼び出される。久しぶりに会った佳美は、かつて良美の母親が営むピアノ教室に通っていた時に意外な話を聞かされたと言うのだが……。

椅子 第03話
第3話 「海へ」(ラ シェーズ)/親友・晴香(石井杏奈)の葬儀に出席した後、紗耶(モトーラ世理奈)は、杏奈(堀田真由)・絵理(河合優実)とともに屋上で思い出に浸っている。いつも一緒だった4人。大きな鍋でおでんを作るのが得意だった晴香が、小さな部屋には入りきらない大きな椅子(ラ シェーズ)を大切にしていたことをふと思い出す。

椅子 第04話
第4話 「オモイデ」(Y-チェア)/美容院で見習いとして働きだした那月(モトーラ世理奈)は、学生時代からの彼氏・相太(吉村界人)とそれぞれの夢を追う日々。ある日店長(智順)に、店に置いてあるおしゃれな椅子(Y-チェア)をプレゼントしてくれたダンディな俳優(山中聡)を紹介される。都会生活で背伸びをしてみたい年頃の那月に…。

椅子 第05話
第5話 「まぼろしの」(ルイ・ゴースト)/町の工場で働く加奈(石橋菜津美)は職場では無口だが、もともとは明るい性格。ずっと欲しかった椅子(ルイ・ゴースト)を自宅に運んでもらってニヤニヤしながら、ひとり食卓に向かっている。そこへ突然、見知らぬ小学生・千絵(白鳥玉季)が借り物競走のためにおしゃれな椅子を貸してほしいとやって来る。

椅子 第06話
第6話 「雨が降っている」(ネイビーチェア)/小さな喫茶店を営んでいた夫婦、泉(石橋菜津美)と優太(中村蒼)。雨でも客足が途絶えないよう店にはアメリカの海軍の要請を受け開発した耐水性のある椅子(ネイビーチェア)を並べている。いつの頃からか、店の経営がうまくいかなくなったことから、2人の関係がねじれていく。

椅子 第07話
第7話 「人間達の声がする」(A-チェア)/赤い服に身を包んだ謎の美女(黒木華)が、ひとり暇を持て余していた雇われ店長・達三(ムロツヨシ)のいるバー「人間達の声がする」にやって来る。女は突然、自分の作品なのか現代詩を朗読し始めるのだが、達三にはちんぷんかんぷんで、その上「ツケにして」と言い残して去られてしまい大困惑する。

椅子 第08話(最終話)
第8話 「椅子を取りに行く」(アリンコチェア)/人気YouTuberの妹・陽子(穂志もえか)と同居するフリーターの姉・梢(黒木華)。無断で自分の彼氏の徹(奥野瑛太)を連れ込んだりする陽子の態度に耐えかねて梢は家を出ていってしまう。ふとわれに返り、もともと自分が買った椅子(アリンコチェア)だけは取り戻したいと留守宅に忍び込む梢だが……。